排水管高圧洗浄は必要?詰まりやすい排水管や排水桝とは
排水管高圧洗浄のメリットはあるのか
排水管高圧洗浄の料金相場は、25,000円から40,000円程度が目安とされています。
決して安くはありませんので、メリットを感じないと依頼をためらうかもしれません。
特に一戸建ての場合はマンションと違って自己判断になるため、詰まりや臭いが気にならなければ先送りにしてしまうこともあるでしょう。
実際に排水設備の位置や構造・使用頻度や使い方などで、排水トラブルが起こりやすいお宅とそうでないお宅があります。
日頃から詰まりや臭いに悩まされ、年に一度は排水管高圧洗浄を行っている方もいれば、2、3年掃除をしなくても問題ないとおっしゃる方もいます。
ではその違いは何なのか。定期的な掃除が必要な配管とはどういったものなのか。
また、詰まりがなければ排水管高圧洗浄は必要ないのか。具体的にご説明いたします。








排水桝は汚物や固形物を溜めるもの
地中に埋設された排水管には、メンテナンスがしやすいように排水桝という掃除口が設けられています。

蓋の部分だけ地面に顔を出していて、「あめ」とか「おすい」と書かれているものもあります。
20~30年前はコンクリート製でしたが、今では塩ビ製が主流になり、マイナスドライバーで簡単に開けられるようになっています。

実はキッチンやトイレなどから流された排水は、そのまま一気に本下水管に合流するわけではありません。
排水管の途中にある排水桝の底には溝が切ってあり、固形物や異物は溝に溜めて水分だけを本下水管に流しています。

そのため排水桝は汚れが付着しやすく、詰まり・悪臭・害虫発生の原因になるため、定期的な掃除が必要になるのです。
目安として新築5年後ぐらいから1年に1回は、排水管や排水桝の掃除をおすすめしています。




排水漏れは建物へのダメージが大きい
マンションにおける排水管清掃は、法律上の義務はありません。
ただし、排水設備の点検・管理は義務付けられており、万が一排水が漏れて階下へ漏水した際には多額の賠償責任が発生することもあるため、定期清掃を行う管理会社も多いようです。
一方で一戸建ての場合は、詰まりや排水漏れが起こってから高圧洗浄を行う方が多いですが、排水漏れに気づくのが遅れたり、排水管や排水桝が破損していた場合、建物にかなりのダメージを与えてしまうことがあります。
室内では床や天井が腐食したり、屋外では土の陥没・コンクリートのひび割れ・苔の発生・害虫やネズミの侵入など、また隣家に排水が漏れてしまったお宅もあり、二次災害の復旧作業にも費用がかかってしまいます。
日頃から配管の点検やメンテナンスを行うことは、お客様の財産を守る上でとても大切なことです。








詰まりやすい排水管とは
本下水管への距離が長い
マンションは立て管(排水が上階から下階に流れる管)の割合が多く、勢いがつきやすいのに比べて、一戸建ては横引き管(排水が横方向に流れる管)の割合が多いです。
通常は排水口→排水トラップ→排水管→排水桝→本下水管へと排水されるわけですが、その距離が長く横引き管の割合が多いほど、汚物や固形物が排水管に付着して滞留する可能性が高く、汚れや詰まりの原因となります。




勾配が取れていない
一般的に排水管には2/100(1mにつき2cm下がる)勾配(角度)がついているのですが、これより勾配が急でも水だけが先に流れて汚物が取り残され、勾配がなくても流れが遅くて汚物が滞留してしまいます。
排水管が長くなると勾配を保つために支柱となる排水桝も数多く必要となりますが、経年劣化で排水管が撓んだり排水桝との接続不良が起こると、勾配不良となって最悪の場合は逆流することもあります。
2階や3階にあるキッチンやトイレの排水管は詰まりやすい
キッチンで水を流すとゴボゴボと音がする、排水の流れが悪い、臭いが気になるといった症状が現れたら、シンク下の排水管が汚れている可能性があります。
高圧洗浄の際に排水管を取り外して内部を見てみると油汚れで塞がれていることも多く、その際は丁寧に手作業で取り除きます。
塊になって固着している場合はワイヤーが付いている機械で砕きますが、排水管の中でどこまで詰まっているかによって長時間の格闘になります・・・。




詰まりやすい排水桝とは
水まわりの数に対して桝が少ない
排水桝は、トイレ・浴室・洗面・洗濯場・キッチンそれぞれに1つずつあることが理想です。
複数の水まわりで排水桝を共用していると、同時に排水した時に詰まりや溢れる可能性があるためです。


古いコンクリート桝は要注意
現在は塩ビ桝が主流ですが、コンクリート桝の耐用年数は20~30年といわれています。
経年劣化が進むと、コンクリートがひび割れたり穴が開いたり排水管との接続部分に隙間ができたりします。
そうなると汚物が流れていかず、地中に漏れ出た排水がまわりの土を流して陥没し地盤沈下することもあります。
また植栽の多いお宅では、コンクリート桝と塩ビパイプの間に隙間ができると木の根が侵入し、詰まりを起こすことがあります。
木の根にとって排水は栄養分になるため、自然と集まり成長するのです。
定期的に高圧洗浄を行いながら点検し、適切なタイミングで塩ビ桝に移行されることをおすすめします。








詰まりを予防
節水トイレは詰まりやすい
節水トイレに交換したら詰まるようになったという事例も多くあります。
メーカー各社、少ない水で汚れを落とせるようギリギリのところを設定しているので、排水設備が良好であることが前提になるのです。
排水管の管路が複雑だったり勾配が取れていない場合、少ない水量では汚物が残ってしまい結局何度も水を流すことになってしまいます。
節水トイレを取り付ける場合は、排水設備が対応できる状況にあるか、事前に確認することが大切です。
詰まりの原因となるもの
排水口から流すもの | ・油脂 ・食べかす ・髪の毛 ・吐瀉物 ・猫の砂 ・髪の毛を溶かす薬剤(パイプユニッシュなど ※1) ・口内洗浄剤(リステリンなど ※2) ・誤って落とした異物(歯ブラシなど) |
トイレから流すもの | ・大量のトイレットペーパー ・硬い便(特に糖尿病や血圧の薬を服用している人のもの) ・尿石(付着した尿が変化したもの) ・誤って流した異物(尿取りパッドなど) |
外部から入り込むもの | ・土中から侵入した木の根 ・土や砂利 |
※1 長期間放置した場合、溶かした汚れが排水管内で再度固まってしまうことが考えられます。
※2 高濃度で流した場合、たんぱく質を分解した成分がゼリー状になってしまうことが考えられます。
日頃のちょっとしたケアで詰まりを未然に防ぐ
●排水口にはネットやゴミ受けなどを設置して、食べかすや髪の毛が流れていかないようにしましょう。
●食用油などはそのまま流さず、キッチンペーパーに染み込ませるか固めて可燃ごみに捨てましょう。
●トイレでは汚物とトイレットペーパーは別々に流しましょう。
●大量の薬剤や60度以上の熱湯を流すことは控えましょう。
●つまりやすいお宅は年に1回、そうでないお宅も2年に1回は排水管高圧洗浄を行って配管の点検・メンテナンスを行いましょう。
高圧洗浄動画
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