悪質水道緊急業者が業務停止命令
(2021年8月30日)

訪問販売で高額請求 解約妨害

消費者庁は 2021年8月30日、水回りの修繕等を行う訪問販売業者A社に対し、特定商取引法に基づき9か月の業務停止を命じました。

A社は、マグネットチラシの配布や電話帳広告の掲載などで全国で事業を展開している水道緊急業者です。

水回り修理の際に虚偽の説明で30万円以上の契約を勧めたり、クーリングオフを妨害していました。国民生活センターには2018年以降、 同社についての相談が707件あったといいます。

2020年には水回りトラブルの修理業者を巡る相談が過去最多となり、消費者庁は注意を呼びかけています。

消費者庁ホームページ
訪問販売業者「株式会社******」に対する行政処分について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/025489/
朝日新聞DIGITAL
マグネットチラシの*****に業務停止命令 消費者庁
https://www.asahi.com/articles/ASP806DG2P80UTIL033.html?iref=pc_ss_date_article

尚、A社は現在も訪問販売以外の通信販売の営業は続けております。かわいいパンダにはくれぐれもご注意ください。

業者とのトラブルを避けるポイント

マグネットチラシを配る緊急業者がすべて悪質というわけではありませんが、冷蔵庫などに貼っていつも見ていると、こんな広告が目に焼き付いてしまいます。

24時間いつでもOK!20分で駆け付けます。見積無料!修理代3,000円~

これって、24時間スタッフが待機して、拠点がいくつもあり、ガソリン代や駐車場代もかかって3,000円? かかった経費は何で賄うのかなあと思ってしまいます。 A社の事案でも、実際は「修理部品がもう製造中止なので便器交換しかないです。」と嘘を言って、30万円の請求をするなどのカラクリがあるんだとわかりました。

一刻も早く来てほしい気持ちで、ろくに調べもせず電話をしてしまうのは危険です。怪しい業者に騙されないよう、落ち着いて業者を選びましょう。

水道工事会社のホームページで施工事例をチェック

会社の所在地や社員の顔写真、施工内容の説明や見積金額、詳しい施工事例などが出ていると実際にどんな工事をしているかがよくわかります。またマグネット広告では修理費3,000円~とだけ記載されていたのが、ホームページでは修理費の他に、基本料金や部品代・出張費・時間外追加料金などの項目が並んでいる業者もあります。

巧妙なカラクリが見え隠れしていますが、信頼できる業者か見極めるため、また料金の相場を知るためにも、いくつかのホームページを見比べてみましょう。

電話受付の対応はきちんとしているか

「出張見積無料ですか?」と事前確認することをおすすめします。訪問しただけで、高速代や駐車場代を請求する会社があります。出張費・見積費以外の費用がかかるなら、事前説明してくれるのが誠実な会社です。

水道局指定工事店か

水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)とは、水道局から給水装置工事を適正に施行することができると認められ、その指定を受けた業者をいいます。国家資格である給水装置工事主任技術者の資格を有する者が在籍していなければなりません。


例えば、横浜市で給水管(上水道管)の交換を行う際は、「水道法」と「横浜市水道条例」の規定に基づき、横浜市水道局に認められた指定給水装置工事事業者でなければ施工ができません。

排水設備についても指定工事店制度があり、行政のホームページから指定工事店の一覧を見ることができます。


指定工事店でなくても、蛇口・トイレ交換や排水管清掃などは作業ができます。
ただ、配管交換はできないため、以下の状況で配管をさわる作業はできません。

●蛇口を交換しても水漏れが直らなかった。
●節水トイレを交換したら水量不足で詰まるようになった。
●排水管清掃をしたら排水マスが古くて割れていた。

不測の事態でも最後まで責任を持って対応できる指定工事店をおすすめします。

作業前に必ず見積書をもらいましょう

どんな作業でも必ず事前に見積書をもらうことです。
見積金額に不安を感じたら、その場で施工依頼はせず、他社に見積を依頼しましょう。

「作業してみないとわからない」というのでは安心して依頼ができません。
「AかBどちらかの見積内容になります」とか、「1万円~1万5,000円の間でできると思います」など、具体的な数字を出してもらえれば納得できるでしょう。

また、相見積もりに嫌な顔をする業者も信頼できません。自社の施工に自信を持っている会社なら、その場で依頼を強要しないはずです。

納得いかない対応をされたら

指定工事店に施工依頼をして不当な高額請求をされたなど、納得がいかない対応をされた場合は、水道局に相談しましょう。指定工事店ではない業者に依頼してトラブルになった場合は、消費者センターに相談してください。

同じ水道工事会社として

当社も、他業者に依頼をして高額請求されたお客様から、よくお問い合わせをいただきます。

「他業者に高圧洗浄を依頼したけれど、つまりは取れなかったのに30万円請求されました。御社でもう一度つまりを除去してくれますか?」
「排水マス交換の見積金額が300万円だったのですが妥当でしょうか。」

中にはお年寄りを狙った明らかな騙しにも遭遇し、その時は相手の業者に詳細を尋ねたところすぐに返金してきました。お金を一部取り戻せて良かったですが、その女性は騙されたことにとてもショックを受けていました。


怪しい水道緊急業者が後を絶ちませんが、当社でも注意喚起をしていきたいと思っております。 当社は同じ水道工事会社でも緊急業者とは一線を画しており、マグネット広告などは配布しておりません。

地元横浜に創業して30年。これからも信頼される会社であり続けるために、自らも気を引き締めてお客様と真摯に向き合う姿勢を忘れずにいたいと思っております。